• 子育て×読書×節約ライフ

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    こんばんは!みりーほです。

    2025年4月から、多部未華子さん主演でドラマが放送されている、『対岸の家事』(朱野帰子著)の読書感想を紹介します。

    3年前に購入した『対岸の家事』。

    そのとき私はフルタイムのワーママで、主人公・村上詩穂が専業主婦という設定に、いまいち感情移入できずに冒頭だけ読んで本棚にしまってしまいました。

    あの頃の私は、詩穂ではなく、どちらかというと、バリバリ働く長野礼子に自分を重ねながら読んでいたのかもしれません。

    しかし、今年4月からのドラマ化をきっかけに再び手に取ることに。

    今、私は退職を経て、しばらくの間“専業主婦のような状態”で生活しています。

    環境が変わった今、この本の世界が驚くほど自分に沁みてきました。

    帰省する列車の中で、一気に読み進め、思わず何度も涙をこらえることになりました。

    登場人物たちのリアルな苦しみとつながり

    この物語には、さまざまな立場の女性・男性たちが登場します。

    • 専業主婦の村上詩穂
    • フルタイムで働くバリキャリママの長野礼子
    • 育休中のエリート官僚・中谷達也
    • 元保育士で小児科医の妻・蔦村晶子
    • 詩穂を支える70代の専業主婦・坂上さん

    詩穂は14歳で母を亡くし、家事を担いながら、全く家事をしない父の無理解な言葉に苦しんできた過去があります。

    今は居酒屋の店長をしている夫と、娘の苺と暮らしながら、孤独感を感じながらも幸せな毎日を送っています。

    とはいえ、

    ママ友が欲しいと思っても、共働き家庭が多く、昼間に会える友人は見つからず、支援センターでは陰口までたたかれてしまう。

    そんなある日、隣に住むワーママ・長野礼子の子どもが、自分だけ中に入り、玄関の鍵をかけてしまうというハプニングが起きます。

    子どもをベランダづたいに無事に保護した詩穂は、礼子がいかに日々疲弊しているかを知り、心を通わせていきます。

    一方で、苺といつも通っている公園で出会った中谷は、最初は理詰めで話し、専業主婦をどこか下に見ているような態度をとっていました。

    面倒くさいタイプのパパ友の中谷でしたが、理論通りに育児が進まない現実に苦しみ、不器用な姿をさらけ出すことで、少しずつ詩穂との信頼関係が生まれていきます。

    いわゆる玉の輿婚をした、と周りから言われている晶子は、実は不妊治療をしながら受付の仕事をしていました。

    明るく振る舞ってはいますが、ゴシップ好きの患者から投げかけられるデリカシーのない言葉に傷つき、自分の人生の方向性に悩みを抱えています。

    彼女の存在は、詩穂や礼子にとっての癒しでもあり、時に元保育士として専門的な助言でママたちを助けてもくれます。

    そして忘れてはならないのが、坂上さんの存在です。

    子どもと2人きりの毎日に閉塞感を覚えていた詩穂に、庭のアジサイの花をきっかけに声をかけ、救ってくれた人です。

    かつて自分も嫁として自分の気持ちを誰にも言えず、家の門で泣いていたことを語る坂上さんは、一人で育児を頑張っていた詩穂を、毎日励ます存在になります。

    その坂上さんが軽度の認知症を抱えていることが判明し、一人娘との関係が描かれる中で、詩穂もまた「家族のケア」という新たなテーマと向き合っていきます。

    自分の育児経験と重なった場面

    物語を読んでいて、自分自身の経験と重なった場面がいくつもありました。

    私の場合は、地方で育児をスタートしたため、支援センターに行くと専業主婦の方ばかりで、最初は声をかけずらい雰囲気でした。

    「育休後はフルタイムで復帰予定です」と話すと、「すごいね」と言いながらも、なんとなく距離を取られてしまう。

    理解してもらえない孤独感があったのを今でも覚えています。

    詩穂が感じていた孤独や、他のママとの距離感に悩む姿を見て、あの頃の自分が重なって見えました。

    家族との関係性が変わっていく過程も見どころ

    物語の中では、登場人物たちがそれぞれのパートナーとの関係に悩みながらも、少しずつ変化していく姿が丁寧に描かれています。

    特に印象的だったのは、詩穂と夫・虎朗の関係です。

    多忙な虎朗は、詩穂の孤独感に気づけずにいましたが、詩穂と中谷の「不倫疑惑」をきっかけに動揺し、詩穂に本気で寄り添うようになります。

    2人は本音を伝え合い、改めて「家族としての形」を築こうと努力しはじめるのです。

    中谷夫妻や礼子夫婦もまた、問題が深刻になるまでお互いの悩みに気づけず、その中で少しずつ、対話を通して関係を修復していきます。

    専業主婦でもワーママでも、誰かが悪いわけではない。

    忙しさの中で、言葉にできなかった気持ちがすれ違いを生んでいただけなのです。

    私自身も、今回の退職にあたっては、何度も夫と話し合いを重ねました。

    「一人で決めず、二人で考えよう」と言ってくれた夫の存在があったからこそ、キャリアチェンジを前向きに捉えることができました。

    “違い”を越えて共感し合うママたちの物語

    『対岸の家事』は、専業主婦とワーママ、女性と男性、それぞれの立場の違いを描きながら、違いを乗り越えて、共感し合える関係の大切さを力強く伝えてくれる物語です。

    読み終えた今、3年前の私には見えなかった景色が見えた気がします。

    人生のステージが変わることで、同じ物語からまったく違うメッセージを受け取ることがある。

    そんな読書体験に出会えたことに、心から感謝したいと思いました。

    最後まで読んでいただき、ありがとうございました!