今回は、
ドラマ『対岸の家事』第5話から、”体験格差”について考えたこと
についてです。
ドラマ『対岸の家事』第5話では、
ディーン・フジオカ演じる中谷が、
「“体験”は親から子への武器だ」と語ります。
習い事、英語教室、グランピング…。
子どもに多くの「体験」をさせることが、
親の務めなのではないか
―そんな焦りや競争心を抱いたことがある人も、
いるのではないでしょうか。
しかし、
同じように”体験格差”について悩んでいた
多部未華子演じる詩穂は、最後に中谷にこう返します。
「体験できなかったっていうのも、ひとつの体験。それだって、武器になるかもしれませんよ」
この言葉は、
教師としての私自身の経験、
そして今の子育ての中でも、深く共感できるものでした。
中谷は、かつて教育ママの母親に受験勉強ばかりさせられ、
子どもらしい体験を持てなかったと語ります。
詩穂もまた、母を亡くし、
家事を担わされた過去を持ちます。
そんな二人が交わした英語のことわざが印象的でした。
“When life gives you lemons, make lemonade.”
人生がレモン(酸っぱいもの)をくれたら、レモネードを作ればいい。
これはまさに、
「置かれた場所で咲く」ことの英語版のような表現。
どんな経験も、
活かし方次第で人生の糧になるというメッセージです。
昨今、
「体験格差」という言葉がよく聞かれるようになりました。
この言葉を聞いて、
私は「何をするか」よりも、「誰とするか」の方が
ずっと大切だと思いました。
たとえば、近くの公園で、
大好きなお母さんと松ぼっくりを集めてままごとをした思い出。
あるいは、保育園でお友達と泥だらけになって外遊びした記憶。
それらは、
特別な場所や高額な体験でなくとも、
心に残るきらきらとした時間です。
私は高校で教師をしていた時代、
子どもたちの本質や意外な一面を見ることができる
学校祭の準備期間が好きでした。
みんなでワイワイ盛り上がるのが楽しい子もいれば、
1人で静かに装飾作りに没頭するのが心地いい子もいます。
そんなとき、私はそれぞれの子に合わせた声かけをしていました。
1人で静かに頑張っている子には、そっと、
「丁寧に作業してるね」
盛り上がっているグループには、
「ハイタッチ!イエーイ!」
どちらも、
その子の世界の中で“体験”を輝かせる、
大切な過ごし方だったと思います。
習い事を始めるにしても、
続けるにしても、
隣に頑張る友達がいるかどうか。
親がそっと寄り添って、
「大丈夫だよ」と背中を押してあげられるかどうか。
それが、子どもにとっての一番の「体験」になるのではないかと思います。
わがやの娘は、英会話教室に通っていますが、
同じクラスの友達が大好きなので、
毎回楽しいと言っています。
英会話教室が終わった後に
その友達と公園で遊ぶのが目的なのかも、
と思いますが、それでもいいんです。
大好きな友達と英語が結びつくなんて、
これ以上素敵な体験はないですよ。
詩穂も中谷も、
親との関係では満たされない思いを抱えてきました。
それでも、それぞれが自分の人生の中でレモンをレモネードに変え、
今、新しい家族とともに歩み始めています。
体験に優劣はありません。
高価なレッスンも、松ぼっくり集めも、部活も、家事も。
どんな日々も、誰かと共に過ごした時間は、
かけがえのない思い出として、子どもの心に刻まれますよね。
だからこそ、
大好きな親や友達と過ごす“ふつうの毎日”こそが、
子どもにとって最高の宝になるのだと思います。
そんなことを考えさせてくれる、
ドラマ『対岸の家事』。
今夜(5月13日)は第7話が放送されます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!